8月の猛暑から解放されたと思ったら、台風の大雨で水害が多発!被害に合われた方にはお見舞い申し上げます。浸水後は、感染症に十分ご注意ください。
感染症といえば、全国的にはしかが流行しているとのこと。
はしかは、子どもがかかりやすい病気と思われていますが、大人の感染者も増加しているそうです。
【 はしかとは? 】
はしかはウイルスによる感染症で、感染力が非常に強く、重症化したり合併症を引き起こすことがあり、致死率が1000人に1人と高く、世界的にも警戒されている病気です。
麻疹ウイルスは人だけに感染し、人から人へと感染していきます。感染力が非常に強く、免疫を持たない人は、ほぼ確実に発症するとのこと。また、一度感染して発症すると一生免疫が持続するといわれています。
■ 感染経路
・空気感染(空気中を漂うウイルスを吸い込むことによる感染)
・飛沫感染(感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる感染)
・接触感染(ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる感染)
【 はしかの症状 】
潜伏期間は約10~12日間。潜伏期間の後に症状が現れ始め、これを「カタル期」といい、その後「発疹期」「回復期」へと移行します。
■ カタル期
鼻水やくしゃみ、咳、38度前後の発熱など風邪に似た症状が現れ、やがて口の中に白いブツブツがみられるようになる症状が3~4日程度続く。
■ 発疹期
3日程度で、いったん熱が下がるが、約半日後に再び39度以上の高熱が出て、同時に赤く盛り上がる発疹が体中に現れる。
■ 回復期
発疹が出始めて3~4日程度で熱が下がり、発疹が黒ずんだ色へ変わっていく。
症状は10日~14日程度で治まりますが、回復後も免疫力の低下が続くため、しばらくは他の病原菌による感染症に気をつけましょう。肺炎や中耳炎、脳炎などを合併することがあり、特に大人になってかかると重症化しやすいので注意を。
【 はしかの治療 】
特効薬がないため、安静にして水分や栄養補給をしながら、自分の免疫力でウイルスを排除するのを待つしかありません。特にビタミンAの補給が症状を軽くするといわれています。
熱が下がっても2日間は周囲に感染させる恐れがあるため、子どもが感染してしまった場合は、学校保健安全法で「解熱後3日を経過するまでの出席停止」と定められています。
【 はしかの予防 】
麻疹ウイルスは感染力が強いため、手洗いやマスクでは予防することができません。感染を予防するためには、ワクチン接種が最も有効。
日本では1978年からはしかの予防接種が定期接種となり、現在は1歳と5~7歳の2回、予防接種を無料で受けることができます。ただし、26~39歳の人は、定期接種が1回であり、さらに接種率も低かったため免疫が十分にない場合があります。
対し、40歳以上の人は、定期接種は受けていないものの、自然感染して免疫を獲得している人が多いため、感染リスクが比較的低いといわれています。
感染リスクの高い20~30代で、はしかにかかったことがない人や予防接種を1回しか受けていない人は、ワクチン接種を検討しましょう。
また、妊婦が感染すると、流産や早産のおそれがあることから、特に妊娠を希望する女性は、免疫が十分あるかなどを医師と相談したうえで、必要な場合には、予防接種を受けることが重要です。