朝晩は冷え込む日が増え、すっかり秋らしい気候になりました。今週末の連休は行楽地もにぎわうことでしょう。
さて、これからの季節は、早朝と日中の寒暖差が10度以上になる日もあり、体調維持が難しいとき。
睡眠不足や疲労をためないなど、日頃の生活習慣を見直し健康管理に気をつけましょう。
もともと、私たちのからだには「自然治癒力」が備わっています。たとえば、皮膚や粘膜は有害な物質が体内に入らないように防御する機能。また、からだが傷ついた場合にそれを修復する力などです。
今回は、自然治癒力うち、からだを守っている「防御力」についての話。
からだに異物が入らないように働いている代表的な機能は、目、鼻、口、気管や咽頭、皮膚などです。
■ 目の防御力
目の表面は、涙で覆われることで空気中の刺激から守られています。涙は上まぶたにある涙腺や結膜から分泌され、目頭にある涙点という穴から排出されます。また、目の表面は、角膜上皮という代謝のよい細胞でできていて、次々に新しい細胞に入れ替わっています。この作用で、細菌やウイルスが涙をすり抜けて細胞に侵入しても、すぐに古い細胞や涙といっしょに排出され、感染などから守られているのです。
■ 鼻の防御力
鼻は細菌やウイルスなどの異物を感じると、まず「くしゃみ」で吹き飛ばします。そして「鼻水」で洗い流し、粘膜に炎症を起こして鼻をつまらせるという一連の作用で、からだに異物やウイルスが入るのを防御しています。
■ 口の防御力
口の中の唾液には、さまざまな殺菌や抗菌作用をもつ抗菌因子があり、細菌やウイルスなどから感染するのを防いでいます。抗菌因子の免疫グロブリン、ラクトフェリン、リゾチームなどが微生物の増殖を抑え、毒性物質の発生を防ぐ働きをしています。
■ 気管・咽頭の防御力
私たちは呼吸のときに、空気といっしょに微細な異物やウイルスも吸い込んでいますが、その異物などは、気管や咽頭で分泌されている粘膜にからみ、痰として口から排出される作用で、肺が感染することを防いでいます。
■ 皮膚の防御力
皮膚は、表皮・真皮・皮下組織から構成されていて、その中で外部の刺激からからだを守っている表皮は、外側から角質層、顆粒層、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層の4つの層からなり、紫外線や細菌、ウイルスなどから防御する重要な働きをしています。
ちなみに呼吸は、単にからだに酸素を取り入れる作用だけでなく、心の状態ともかかわりがあります。焦っているときやイライラしているときは浅く速い呼吸。心が穏やかなときは深くゆっくりな呼吸というように、心の状態で呼吸にも変化がみられます。
呼吸・生命活動・心の状態は深いかかわりがあるといわれ、自律神経のバランスや内臓の働きを整える作用があるとも。このように、呼吸は自然治癒力を高めるために重要な役割もしているようです。