こころのコラム

大切な財産とは・・・

またまた寒波の襲来で、降雪の影響が心配です。みなさんのところはいかがですか?

心配といえば、昨年末からの耐震偽装問題や、最近発覚したIT企業の粉飾決算などの問題はいち個人だけではなく、日本経済にも大きな影響を与えています。これらの問題の発端は「ウソ」。

完璧な人間なんていませんから、たたけば多少のほこりはでます。
ウソも方便ということわざもありますが、今回の騒動は常識を超えていますね。

このようにお金がからんだ事件は後をたちません。「お金」は貴重な財産には違いありませんが、人としてもっとも貴重な財産のひとつは「正直」であること。

正直とは、人との付き合いで公明正大であるということだ。
人生で成功をおさめるためには、仕事や人間関係で正直でなければならない。人にウソをつきながら毎日を送るよりも、正直に生きるほうがはるかに楽だ。多くの人は不誠実な行動によって自分の人生を台なしにしている。
「正直は最善の策である」ということわざがある。これは真理だ。人生の成功は知性だけによるものではない、それは道徳的な資質にも左右される。正直で信頼されるかどうかが、人生の成功の大きなカギになる 

だれでもウソをつけば、後ろめたい気持ちになります。
以前紹介した中村天風氏の話によれば「正しいことをしている人間に正からざる出来事の生ずるはずはない」本心、良心に反しない正しい生き方をすることで、力がわきプラスの出来事がおこるようになるとのこと。

ずいぶん前ですが、バラエティ番組に出演されていたお年寄りが、座右の銘としてこんなことを言われていました。
「偉くなくても正しく生きる」」この方、元気でいい顔していました。

可能性が眠っていませんか?

村上和雄さん。筑波大学名誉教授で遺伝子研究に取り組み、ノーベル賞の有力候補と注目される方です。一般的に科学者は論理的で堅物なイメージがありますが、村上さんの本にはそんなイメージを払拭するようなことが書かれています。
人間には60兆個もの細胞があり、その中の核にはDNA(染色体)があります。このDNAには遺伝子情報が組み込まれています。
遺伝というと運命的に決められたものという感じがしますが、実は遺伝子は休みなく活動しているということが研究によってわかったそうです。しかも、遺伝子情報を常時使っているのは3%~10%程度しかなく、残りの90%以上は何をしているのかわからないそうです。

「私たちがもっている遺伝子は、けっして固定されたものでなく、条件しだいで働きが変わる、変わる要素をもっているということです。『火事場のバカ力』という言葉があるように、人間は極限的な状況に遭遇したときなど、ふだんでは考えられないような能力を発揮することがあります。これなどは、私たちの内部で眠っていた能力が目覚めた瞬間の非常にわかりやすい例でしょう。」

このことから、眠っているプラスの遺伝子情報をONにすることができれば、
90%以上もの無限の力によって「こうであればいいのに」とか「こうあってほしい」と考えることはほんとんど可能になるのではないかということです。

また、病気に関しても次のように言われています。

「『病は気から』という言葉があります。気持ちのもちようで病気を予防したり、健康を損ねたりするという意味ですが、これはけっして『気のせい』という意味ではなく私はこのことにも遺伝子が関係していると考えています。
なんらかの方法で、休眠している免疫性を高めるための遺伝子のスイッチをONにすることができれば、病気を予防したり、病気にかかっても、そこから早く回復することができるわけです。心とか気持ちなど、精神活動の遺伝子に与える影響についての正確なメカニズムまでは解明されていませんが、そういうことを示す状況証拠、臨床データは、かなり以前から多数報告されています。」
科学者の話ですから信憑性がありますね。

ではプラス遺伝子をONにするためのポイントはというと・・・

●それがプラスかマイナスかなど考えるひまを自分に与えず
ともかくやってみること。

●できるかできないかは別にして、とにかく始めてみる。
そして、始めたらやり続ける。

●途中でつまったらやりなおす、目の前のことだけに集中する。

すると意外に道が開けてくるとのこと。
もうひとつ、プラス遺伝子をONにする大切な方法は「感謝」することだそうです。

「毎日毎日、無事で生きていることだけでも、たいへんありがたいことなのです。
こうした感謝の気持ちを抱けば、プラスの遺伝子のスイッチが入って、人生もおのずとプラスに転じてくるでしょう。」
以前「水の真力」でも紹介しましたが、感謝するというのは必要なことなんですね。

脳細胞を増やす簡単な方法

9月も中旬を過ぎ、朝晩はすごしやすい日が多くなりましたね。
今週末の連休はお天気もよさそうなので、行楽でお楽しみの方も多いでしょう。楽しいことは心を豊かにし、体を健康にしてくれます。リフレッシュしてください。
さて、この楽しいとかうれしいなど、喜びを感じる物質がセロトニンやドーパミンという神経伝達物質なんだそうです。セロトニンが多く出ると精神が安定し元気になり、ドーパミンが多く出ると快感、喜びを感じます。

これらの神経伝達物質には、心のあり方が大きな影響を与えていて、その量を増やしたり、減らしたりしています。
また、いつも使っている神経の活動は強まり、神経伝達の量も多くなるようですから、喜びや楽しい気分になるように心がけていると、脳がしだいにそれを多く感じるしくみになっていくのだそうです。そのためには老化などによる脳細胞の減少に気をつけることが必要です。

ネズミなどを使った動物実験の結果、脳細胞を増やすには次のようなことが有効だったそうです。

1、運動 2、刺激的な環境 3、訓練

2はネズミに遊び道具の多い環境を与える実験です。
人間も手や指を動かすことはもちろん、美しい景色を見たり美しい音を聞いたりすると脳細胞を増やす効果があります。
3の訓練はネズミに迷路実験をおこなって、できるだけ早くエサにありつけるように訓練をしていく実験で、これも訓練を積んだ分だけ脳細胞は増えたそうです。

このことから、人間も年齢に関係なく、勉強をしたり本を読んだりすることで脳細胞が増えて脳の老化を防止することが考えられます。

大切なのは、「すぐに忘れるから本を読んでもしょうがない」とあきらめないことです。忘れてもかまいませんので、頭を使うこと。考える(頭を使うこと)を続けることに意味があるのです。確かに、複雑な人間関係が多い政治家や、豊富なイメージが不可欠な芸術家は、高齢でもかくしゃくとした人が多いですね。

願いごとをする 

鎌田實さん。長野県の諏訪中央病院名誉院長です。
数年前にベストセラー「がんばらない」がテレビドラマ化されたので、ご存知の方も多いと思います。新刊エッセイも地域や患者さんとの悲喜交々のエピソードが綴られています。「それでもやっぱりがんばらない」の中にこんな一節があります。

「『何がしたいの』って聞かれて、うれしいと泣く女性がいた。
関東のある町から諏訪中央病院の緩和ケア病棟にやって来た初日、問診で聞かれた言葉。以前の病院で、彼女は『何がしたかったの』と過去形で聞かれ、治らないがんがあったとしても、私は、今生きているんですって怒った。そうだ、生きている限り、したいことがあるはずなんだ。

人間は夢を追う動物だ。そうだ、夢は大事なんだと思う。
夢がないときもあるかもしれない。夢なんて持てないときもあるだろう。でも、本当は、違うような気がする。気がつかないだけ。夢がないわけではないんだ。人はぎりぎりの生命を生きるときに、急に、自分の夢に気がつく。けっこうくだらない夢もある。いいんだなあ。大きな夢も、小さな夢も、くだらない夢も、ささいな夢もその人らしければいいんだ。夢があるから、どんな苦難のときも人は生きられるのだろう。きっと。」

また「メイク・ア・ウイッシュ」というボランティアの話が語られています。
日本語で「願いごとをする」という意味だそうです。
活動内容は難病や障害のある子供の夢を支援することです。3歳から18歳未満の難病と闘っている子どもたちの夢をかなえ、生きる力や病気と闘う勇気を持ってもらいたいと願って設立された団体です。

重病の子供さんが対象なので、まぎわで願いが叶わずに亡くなったお子さんもいるそうですが、現在までに約800人近くの子供たちの夢が叶えられたそうです。大人にとってはなんでもないようなことでも、純粋に夢のためにがんばる子供をみていると元気をもらえます。

鎌田さんは「メイク・ア・ウイッシュ」を支援している方との対談でこんな話をされています。
夢や希望を持って生きていると免疫力が上がる。夢を追いかける人には、時たま、不思議なことが起きるんだって僕は話した。生きられるはずのない命が病気を克服することがある。苦難の中を生きる人に生きる力を与えるものは、夢を持つことなんだ。

メイク・ア・ウイッシュの詳細はこちら

スポーツ選手がイメージトレーニングをするワケは?

例年ならこの時期は「毎日、雨空でうっとうしい日が続いていますね・・・」なんてコメントをしているはずですが、今年はピーカンの日照り続きで、深刻な水不足になりそうな雰囲気です。
兵庫県では6月としては最高の37.2度を記録したそうです。
野外でスポーツなどされる方は熱中症に注意してくださいね。

ところでスポーツといえば、一流の選手の多くがイメージトレーニングを活用していることをご存知ですか?その効果とは?

こんな実験をした科学者がいるそうです。

ピアノの練習を2つのグループに分けておこないました。
Aグループは指で実際に鍵盤をたたいて練習する。
Bグループは曲を聴きながら、イメージの中で指を動かして練習する。

ピアノが上達したのはAとBどちらだったと思いますか?
普通に考えればAのような気がしますが、結果はどちらも差がなかったそうです。
実際に身体を動かしている場合も、イメージしている場合も脳の活動する部分は同じなのだそうです。ですから一流といわれる選手は、イメージの中でそのスポーツをすると、実際に身体を動かしているのと同じように、心拍数が上がり、実際にトレーニングしている時と同じように脳が活性化し、その脳の部分が発達するために能力が向上するのだそうです。

ポイントは、何度も繰り返しイメージすること。
何かを上達したいという場合には繰り返し身体を使って練習しますよね。
イメージも繰り返すことで能力の向上に役立つのだそうです。
また、イメージトレーニングの注意点は視覚的なイメージだけではダメだということです。脳にイメージを現実だと認識させるには、ピアノの実験のように「イメージしながら指を動かす」つまり身体を動かして、実際にそれをしているように身体で感覚を感じてみる必要があるそうです。上達したいことがある方は、イメージトーレニングを活用するとさらに効果が上がるかもしれませんよ。

自分の好きなところをさがしましょう 

そろそろ梅雨の季節ですね。「あ~うっとうしい・・・」という方も多いでしょうが、私は小学生の頃に渇水を経験したことが今だに忘れられません。バケツをいくつも持って給水車に並んだりしてましたから・・・
だからこの時期に雨が少ないと、とっても不安になります。考えても仕方ないんですけどね(笑)みなさんはいかかがですか?

さて、前回「他人の目を気にしすぎること」は心や身体によくないという話を紹介しました。今回はそれに関連して「自分を愛すること」の必要性です。

斎藤茂太さんの本にこんな一節があります。
「何より私のいいところは、クヨクヨ悩まないことだ。
精神科という医者の立場上、心を病んでいる人とさまざまな話をする機会が多いが、概して彼らは頭がよすぎるようだ。ふつうの人には考えられないようなことまで予想して悩んでしまうのである。偏差値に始まり、ともすれば人をランクづけすることが多い世の中だ。広い世の中には優秀な人も多いから、こうしたランクづけで常に上位を占めるのはむずかしい。

そうしたことから自己否定になり、ついにはうつ状態に落ち込んでしまった患者さんもいる。そういう方に接していると、しばしば、『もっと自分を愛しなさい』と肩をポンとたたきたくなる。自分で自分を評価できなくて、どうして長い人生を生きていかれるだろうか。自分は自分自身の最大の味方であり、最高の評価をする人間でありたい。

熱帯雨林の樹木は、木質に締まりがなく、木材としての評価は低い。
気温が高く、多雨である熱帯は、植物にとっては最高に育ちやすい条件に恵まれすぎているためだ。反対に、陽光に恵まれず、厳しい寒さにさらされて育つ北国の樹木は木質が締まり、良質の木材になる。人間もそれと同じではないだろうか。
トラブルに遭遇したら、『これを乗り越えれば、自分は一段スキルアップできる。人間的にも一段ステップアップするチャンスなのだ』と前向きに考えよう。常に前を向いていれば、前途のかすかな光明も大きくとらえることができるものだ。」

十人十色といいますが、人さまざまですから人と自分を比べないことですね。
自分のよいところを自分で認めることが必要みたいです。
それが充実した生活をおくる秘訣かもしれません。