健康プチコラム

不況で生活習慣病が増えている!?

人間ドッグ学会の調査によると、2009年度に人間ドッグを受診して、異常がみつかった人の割合は90%を超えたとのこと。

調査を始めた1984年は70%だったそうですから、20%も増えたことになります。

ちなみに、生活習慣病と関連がある検査項目のうち、割合が多かったのは、「高コレステロール」「肥満」「肝機能異常」「高血圧」「高中性脂肪」などだったそうです。

経済不況によるリストラや出向などのストレスが、生活習慣を悪化させている原因のひとつではないかとの話も。

単身赴任や残業などで、外食やファーストフードを利用する機会が増えていることや、夜遅くに食事をする習慣が、肥満や糖尿病の原因かもしれませんね。

簡単ではありませんが、食事のバランスを考えるとか、軽い運動で体を動かす習慣をつけるなどの予防も必要です。

電車やバスで通勤している人は、ふた駅前から徒歩にしてみたり、エレベーターではなく階段を利用するなど、工夫をしてみましょう。

ところで、人間ドックを受ける人は、中年以上の会社員や経営者などがほとんどではないでしょうか?検診を受けていない、若い方や主婦の方にも、生活習慣病予備軍がいるかもしれません。

参考までに、がんによる年間死亡者数は、約34万人といわれていますが、先進国でがんの死亡者が増え続けているのは日本だけだそうです。

アメリカやイギリスは、乳がんや子宮頸がんの検診率が70%以上ですが、日本は20%という低さも一因だとか。

早期発見で、100%近く治る確率が、進行していると60%ほどに。また、転移すると治癒率が10~20%まで落ちるとの話もあります。

体の不調を感じたら早めの検診、できれば定期的な検診を心がけましょう。

※参考資料:日経新聞朝刊

目の紫外線対策を忘れていませんか?

紫外線といえば、肌のことばかりが気になりますが、目にとっても有害なのです。

紫外線に長時間目をさらしていると、角膜に急性の炎症が起きることがあり、8~24時間後に痛みや異物感が起きて、白目が充血します。

治療には角膜上皮を再生させる目薬や、抗生物質が使われ、一般的には数日で改善してきますが、目の奥の網膜にも障害を与えます。

目を守るためには、外出時にサングラスを忘れないようにしましょう。

サングラスは、色が濃いものがよいというのではなく、きちんとUVカット対策されているものを着用することが必要です。

紫外線カットの効果がないサングラスは、まぶしさが和らぐ分だけ瞳孔が広く開き、紫外線を大量に浴びてしまうことになるので、逆効果になります。

選ぶ時には、販売店の方に紫外線効果があるかを確かめましょう。

また、サングラスの形も紫外線対策には重要です。

面積の狭すぎるレンズや、レンズと顔の間の隙間が空きすぎる形状は、光の防御効果が低く、紫外線が目に侵入しやすくなります。

ですので、目の全体が覆われる幅の広い物で、顔の形に合った物を選ぶこと。

外出するときは、紫外線の多い時間帯を避けたり、日陰を歩くように工夫することも大切ですよ。

若者に増えている、新たなうつ病とは?

厚生労働省が医療施設に対して行っている調査によると、平成11年は約44万人だったうつ病患者は、増加を続け平成20年には、104万人と9年間で2.4倍に増加したそうです。

これは、病院で診察を受けてない人は含まれないので、潜在的な数を含めると、さらに驚くような数字が予想されます。

うつ病の典型的な症状は「不眠」「食欲不振」「気分の落ち込み」「無気力」などといわれますが、このような症状がみられない、新たな非定型うつ病が増えているとのこと。

非定型うつ病の特徴は次のようなものです。

20~30代前半の若い世代に多い

過眠、過食の傾向がみられる

手足がまるで鉛のように重く感じ、激しい疲労感をともなう

自身がうつ病であることやうつ病で休職することに抵抗が少ない

自己否定感や自責感にとぼしく、周囲の人に責任転嫁し他人を責める

優しくされたり、ほめられたり、励まされると気分がよくなる

他人の言動に敏感になり、激しく反応する

昔のいやな出来事やつらかったことを思い出し、そのときの感情にとらわれる

ささいなことがきっかけで怒りの感情が爆発し、怒ったあとに自己嫌悪になる

職場や勤務時間中にうつ症状があらわれるが、勤務時間以外や趣味、または自分の好きなことや関心があることに対しては比較的活動的になる

従来のうつ病と非定型うつ病との比較表

従来型のうつ病(定型) 新タイプのうつ病(非定型)
病前性格 ・義務感や責任感が強い
・社会的秩序やルールを重視
・完璧主義者
・依存心や自己愛が強い
・自分なりの価値観を重視
・優等生タイプ
好発年齢 35~55歳に発症が多い 20~30代前半に発症が多い
精神状態 ・常に落ち込んでいる
・好きなことも楽しめない
・自分が悪いと自責の念が強い
・自殺願望がある
・よいことがあると明るくなる
・好きなことは楽しめる
・他人が悪いと他罰的になる
・衝動的に自殺をくわだてる
食欲 ・食欲不振で体重減少 ・過食傾向で体重増加
・甘い物が食べたくなる
睡眠 ・不眠傾向(睡眠不足)
・朝早く目が覚めてしまう
・睡眠途中で目が覚めると
眠れなくなる
・過眠傾向(いくら寝ても眠い)
・昼夜が逆転して生活のリズムが乱れやすくなる
対応 はげましたりすると、かえって自責的になり症状を悪化させるため、話に耳を傾け、共感を心がける 過保護にすることがないように普段通りの態度を心がける。ただし、叱責や非難はしないこと

このように、従来型のうつ病とは症状が異なるので、20代のお子さんがいらっしゃるご家族や、対象年代と接する機会が多い方は、注意深く観察することが、早期発見につながるかもしれません。

うつ病は、体調不良や疾病の原因、または自殺などの重大な事態もひきおこしかねません。うたがわしい場合は、勇気を出して専門の医療機関に相談しましょう。

※予防医学学術刊行物ほすぴ参考

食中毒に注意する季節です!

梅雨真っただ中で、ジメジメした日が続いています。

毎年のことですが、この時期は食中毒に注意を。

食べ残しや、生ものは、早めに冷蔵庫へ。

ちなみに、菌の繁殖をふせぐには、冷蔵室は10℃以下、冷凍室なら-15℃以下が目安だそうですから、物を詰めすぎたり、むだな開閉をして冷蔵庫内の温度を上げないようにすることが必要です。

代表的な食中毒菌には、次のようなものがあります。

カンピロバクター
主な感染源は、生または加熱が不十分な「鶏肉」です。肉類は中まで十分に火を通すようにしましょう。

サルモネラ
主な感染源は「卵や肉」。卵や肉などを扱った器具や手は、そのつど洗浄消毒をしましょう。

腸炎ビブリオ
主な感染源は夏場の「魚介類」です。室温では増殖が速いので、刺し身などは短時間でもチルド室(4℃以下)で保存しましょう。

黄色ブドウ球菌
傷口や皮膚など身近にいる菌で、手から食品について増殖します。
調理の前は石けんで手を洗い、おにぎりなどはラップに包んでにぎりましょう。

O-157(腸管出血性大腸菌)
感染力が非常に強く、子どもや高齢者では命に関わることもあります。
生や加熱が不十分な「肉やレバー」に注意しましょう。

食中毒にかからないための基本的なことは

生鮮食品は買ったらすぐに帰宅して、冷蔵庫へ入れる

食材だけでなく、手や調理器具も「よく洗う」

なるべく加熱調理をする

食中毒の菌は増殖しても、色や味、においが変らないので、気づかずに食べてしまう危険性が高いとのこと。

この季節は、肉や魚介類などには、すでに食中毒菌がついている可能性があると考えて対処しましょう。

「なんとなくだるい…」というときにはコレ!

「梅雨になると、なんとなく体がだるい…」ということはありませんか?

この時期は、湿気で肌もジメジメ、どんよりした鉛色の空が、さらに気分を沈みがちにさせます…

これは、気分の問題だけでなく低気圧が影響しているといわれます。

大気が低気圧の状態のときには、空気は軽く雲ができやすくなるため、悪天候に。

この軽い空気には酸素が少ないので、体はゆったりとした体調になります。
また、副交感神経が働くことで、消化管の働きは高まり、新陳代謝が悪くなることで、太りやすくなることも。

反対に、真夏のような高気圧の状態は、空気が濃くて重たく、含まれる酸素も多いので、体が酸素をたくさん吸うことができるため体調が活発になり、さらに交感神経が働くことで、元気の良さを感じるのです。

なので、低気圧で体調がすぐれないときには、すっぱい物やしょうが、唐辛子を食べて交感神経を刺激することで、体温が高まり元気を取り戻すことができるといわれます。

これからの季節は、料理に梅干しやしょうがなどの薬味をつかって、体調を整えてる工夫をしてくださいね。

不眠症解消の秘訣とは!?

長かったGWも終わりましたね。

もう普段のペースに戻れましたか?

ところで、厚生省のデーターによると、長期休暇明けは自殺者が多くなるとのこと。

これは、仕事のストレスによるうつ病が原因ともいわれます。
国が「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」を設置するなど、深刻な問題になっているようです。

うつ病まで進行しなくても、不安やストレスで不眠症になるケースも増えているようです。

不安や悩みがまったくない、という方はいないと思います。多少なりとも、眠れぬ夜を過ごした経験があるのではないでしょうか?

最近読んだ本に、不眠解消法の話が載っていました。

小沢道雄和尚の「続・本日ただいま誕生」の一節です。

この方、敗戦後シベリアに抑留され、強制労働が原因で両足切断。その後さまざまな経験を経て、僧になられ、「足なし禅師」といわれた方です。

あるとき不眠症で悩んでいる男性が、和尚に相談にきました。

病院で、睡眠薬や安定剤をもらって飲んでいたが、薬の効果が切れると、かえって不安がつのり、毎日、夢遊病者のような生活が続いていたとのこと。

以下、本文を抜粋すると…

そんなとき、お友だちと一緒に和尚さんを訪ねたのであります。和尚さんはニコニコしながらいとも無造作に、

和尚「あなた、奇妙な癖を身につけていまいましたな。
病気なんかじゃありませんや。
そんな癖がいつの間にか、ちょっとついた、ただそれだけのこと
だと思いますよ」

男性「いや癖なんかじゃありません。
私は極度のノイローゼです。
病院の先生も診断して、症状が出ているからと安定剤をくれました。
癖だなんてひどい…」

和尚「それが癖なんですわ、そんなふうにしか考えられなくなった!」

どうも次元が異なっている感じで、私はあぜんとするばかりでした。

和尚さんは言いました。眠りに対しての秘訣といって、

・眠ろうとする、そのことをやめることです。
あえて熟睡しなきゃ疲れがとれないなどと考えなくてよろしい。
眠れなかったら眠らなくてよいのです。
静かに目を閉じて呼吸を繰り返しているだけでそれでよいのです。
それが自然にあなたの必要な休養になっているのですから…。

・寝床に入ったとき、まず体中の力を抜きます。
そして手足を十分伸ばします。
この場合、手は胸の上に組まないのがよいと思います。
指は自然に開いたまま体に添えて握りしめないことです。
まあ一口にいって、体中の関節を脱したような状態、これが最良です。

・心の問題、いやこの場合、思いの処置といっておきましょう。
いろいろと頭に浮かびます。
思いが生じてくるのは至極当然です。「当然なんですよ!」。
この浮かんでくるものを、浮かびっぱなしにして、あえていじりまわさない、
つまり「勝手に考えていろ」とはったらかすことです、思いを追うから
いけないのです。

・奇妙な癖がついてしまいましたな。いつも同じような思いが頭に
浮かんでまいりますな。この癖をしばらく眺めているとするか。
あなた(自分のこと)も、この癖によっていろいろとたいへんですな。
まあぼつぼつ眠るとするか…(これは自分との対話)

・それでも眠りに落ちない場合、この場合はしばらく軽い作業をして
もらいます。たたきながら、下腹部に少しずつ力を入れていきます。
まあ軽い腹式呼吸を繰り返します。

癖といわれたことに反発はあったのですが、一面、癖ならば、と軽い気持ちにもなれたことは事実でありました。

「何気なくやりましょうや、歌でも唄いながら…」
という和尚さんの言葉に引きずられて、それとなくやっているうちに、安定剤もいらなくなり、睡眠薬も少なくなった。

特に、「この癖をしばらく眺めているとするか。あなたもこの癖によっていろいろたいへんですな」の、自分に対しての問いかけ、これを教えてもらったことで、それまでは、がんじがらめに自分を縛っていたものを、ほどく糸口がついたようであります。

それで、不眠症もすっかり治り、気持ちよく眠れるので、朝も気持ちよく目覚め、「さあ、今日も一日精一杯にやろう」と自分にかけ声をかけている毎日です。

不眠症でお悩みの方は試してみませんか?