2011年 7月 の投稿一覧

ストレスに負けない感覚とは?

毎日暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

来週から8月。夏本番はこれから、熱中症対策など体調管理にお気をつけください!

さて、今回はメルマガの記事をご紹介しています。

私も定期購読している、月刊誌「致知」の過去掲載からの抜粋。
ストレスに対しての考え方です。

第二次世界大戦のユダヤの収容所から生き延びた方のデーターだそうです。

時代は変わっても、日々ストレスの連続という方も多いのでは?
ストレス解消のヒントになればと思います。

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致知出版社の「人間力メルマガ」

【2011/7/30】 致知出版社編集部 発行
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このメールマガジンでは、
人間学を学ぶ月刊誌『致知』から
そのエッセンスの一部をご紹介しています。

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本日は、各企業の精神産業医として
メンタルヘルス不全の治療や予防活動に取り組む一方、
宇宙航空研究開発機構(JAXA)で
宇宙飛行士の健康管理と選抜などに当たっておられる
松崎一葉氏のお話をご紹介します。

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「ストレスに負けない三つの感覚」

松崎一葉(筑波大学大学院医学系・教授)

『致知』2009年3月号
特集「賜生(しせい)」より

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同じような環境で、同じような仕事内容で働いていても、
病気になる人とならない人がいます。それはなぜでしょうか。

うつ病に限らず、すべての疾病は
環境要因と個体要因のバランスによります。

例えばどんな屈強な男性でも、
何日も寝ないで重労働に従事すれば
体を壊してもおかしくはありません。

それが環境要因です。

一方で本人の資質に起因する病もあり、
特に精神的な病の場合、その人のストレスの
感じ方によるところも大きいでしょう。

その昔、医療社会学者の
アーロン・アントノフスキーが
ユダヤの強制収容所から生還した人たちの
健康調査を継続的に行ったところ、
一部の人たちはとても長生きをしたことが分かりました。

そしてその人たちは、共通して
次の三つの特性を持っていたと報告しています。

一、有意味感

つらいこと、面白みを感じられないことに対しても、
意味を見いだせる感覚。
明日ガス室に送られるかもしれない中でも、
自暴自棄にならずに、きょうの労働に精を出せること。

我々のレベルに置き換えると、
望まない部署に配属されても、
「将来なんかの役に立つかもしれないし」と思って
前向きに取り組めることといえます。

二、全体把握感

先を見通す力、とも置き換えられるかもしれません。
つらいことに直面すると、
人は一生それが続くように感じてしまいますが、
「ひとまず夜がくればこの過酷な労働も終わりだ」とか、
「いつかは戦争が終わって解放されることもあるだろう」
と思えること。

仕事に転じれば、例えば今週は忙しくて
土日出勤になったとします。

「なんて忙しいんだ」と思うのではなく、
「今週は休めなかったけど、
来週のこの辺は少し余裕ができるから、そこで休めるな」
など、先を見て心の段取りが取れること。

それはそのまま仕事の段取りに通じます。
「来週のこの辺で忙しくなりそうなので、
他部署からヘルプをお願いできませんか?」
と、パニックになる前に助けの要請を出せることで、
自分もチームも円滑に仕事が回せるのです。

三、経験的処理可能感

つらい強制労働など、最初はこんなことは
絶対にできないと思っても、
「そういえばあの時もできないと思ったけど、
意外とできたよな。今回もできるんじゃないかな」
と思えること。

初めて手がける仕事でも、過去の経験から
この程度まではできるはず、
でもその先は未知のゾーンだと冷静に読める。

ただ、その未知のゾーンも、
あの時の仕事の経験を応用すればできるかなとか、
あの人に手伝ってもらえそうだなと把握できる感覚です。

また、大きくとらえれば、学生時代に努力して
練習したら大会で優勝できたじゃないかとか、
先生に無理だと言われたが、頑張って勉強したら
志望校に合格できたから今回もできるのではないか、
と思えることも、経験的処理可能感といえるでしょう。

これら三つの感覚はSOC(Sense of Coherence)と呼ばれ、
一般的にストレス対処能力を測る物差しとされていますが、
簡単にいってしまえば、
「きっとうまくいくに違いない」という
情緒的余裕と経験に基づく楽観性ではないかと思います。

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「VDT症候群」をご存じですか?

突然ですが、仕事や家庭で一日何時間くらいパソコンの前に座っていますか?

また、帰宅後は夜遅くまでゲームをするのが習慣になっていませんか?

思い当たる方で、「最近からだの調子が悪い…」なら、VDT症候群かもしれません。

パソコンや携帯電話、ゲーム機などに使われている画面(画面表示をする装置)は、VDT(Visual Display Terminal)と呼ばれています。

これを長時間見続けることで起こる健康障害の総称を、VDT症候群といいます。

代表的な症状は、「目の疲れや肩こり」「腕や首の痛み」などですが、悪化すると、頭痛が続いたり、指先に痛みを感じたりするほか、食欲不振や不眠なども加わり、日常生活に支障をきたすほど症状が重くなるケースもあるようです。
気になる症状が続く場合は、早めに専門医の診察を受けましょう。

次に職場や自宅でできる予防法を、紹介しますのでご参考ください。

1) 10分ごとに数秒間、遠くを見る

目は、近くのものに焦点を合わせる時、水晶体(レンズ)を厚くして光の屈折率を上げるために、そのまわりにある毛様体筋(もうようたいきん)を収縮させています。

その結果、画面を見続けるほど毛様体筋の緊張状態は続き、やがて、目の疲れや充血、かすみ、まぶたのけいれんなどがあらわれてくるのです。

パソコン作業中は、画面を見続けるだけでなく、キーボードや書類にも視線を移すことが多いため、その度に焦点を合わせ直している毛様体筋の疲れは、時間とともに蓄積していきます。ある程度の時間がたったら、遠くを見るという習慣を。

2) 1時間に1度はからだを動かす

首や肩、腕、手、背中、腰などの筋肉は、座った姿勢を保ったり、キーボードやマウスを操作したりするために、想像以上の緊張状態が続いています。

パソコン作業を1時間続けたら15分は休憩することが理想的ですが、せめて、1時間に1度は、「背筋や腕を伸ばす」「肩を上下させる」「手を肩に添えて肩を回す」「イスから立ち上がってからだ全体を軽く動かす」などの動作でからだの緊張をほぐしましょう。

3) パソコンを使用する環境を調節する

画面と目との距離は、40~70cm程度になるように。また、画面の位置は、イスに座った状態で見た時に、目線よりもやや低い位置にくるように調節しましょう。

イスは、床から座面までの高さが37~43cm程度の範囲で調節でき、背もたれがついたものを利用し、可能であれば、机の高さは、60~72cmの範囲で調節可能で、キーボードに手を置いた時にその高さにひじの位置がくるものがよいです。

4) パソコンの設定を調節する

画面の明るさは、初期設定のままでは明るすぎることがあるので、少し暗めに調節したほうが、目の負担は少ないようです。また、ノートパソコンを持ち運んでいろいろな場所で作業する時は、その場所の明るさに応じて画面の明るさを調節しましょう。 画面に表示される文字の大きさは、3mm以上がよいとのこと。

パソコンは仕事に限らず、家庭生活にも密着した不可欠なもの。

職場や自宅で使う機会の多いパソコンによるVDT症候群を防ぐためには、できる予防法から始めて、からだを使った動作などは毎日の習慣にしましょう。