たまたま手にした週刊誌に「樹木希林ガンが消えた!」という見出しが。

記事を読むと、ガンが完全に消滅したかどうかはわかりませんでしたが、転移したガンを克服し、仕事ができるまで回復したとのこと。

ガン細胞は誰でも毎日数千個もできているといわれます。しかし、多くは自己免疫が退治しているので、健康な状態を保っているのです。

ですから、「ガンが消えた」ということじたいは、不思議ではないと思いますが、死亡原因の1位は悪性新生物。残念ながら、ガンで亡くなる方も多いようです。

とはいえ、余命数ヵ月と宣告された方が、奇跡的に回復したという話や、記事を読まれたことがあるのではないでしょうか?

私が印象に残っている話のひとつに、五木寛之さんの「大河の一滴」で紹介されているある医師の話があります。

以下、本文の一部を抜粋すると…

「最近、ある医師の方から、とても感動的な、そして不思議な話をききました。
この医師は、東京で長いこと開業してらっしゃる70代のかたです。

このかたの診療所には、大病院級の重い病気のかたが多くおとずれるのですが、そのなかに、ご夫婦でガンにかかっているかたがいらっしゃるそうです。

最初は、奥さんが進行性のガンで、医学的な常識では余命3ヶ月という症状でやってきました。

夫は若いころから、いろんな事業や商売で失敗して無一文になったり、借金取りに追いかけられたり、仕事がうまくいくと女遊びや博打に走り、家族をかえりみなかったそうです。

その夫に代わり、妻が働き、家計をささえていたらしい。
その妻が、気がついたときには深刻な段階のガンであった…

夫は自分の生き方を後悔し、病状を心配するあまり、自分の内部に抱えている爆弾にまったく気がつきませんでした。

体の不調を感じてその診療所をたずねたところ、妻よりも重いガンにかかっていたのでした。

事実を告げられた夫は、まず自分の病状よりも、これから残されるであろう妻子のことを心底悩み、それまでの罪滅ぼしの意味もあって、思いつきで手をひろげたり、未回収になっている手形の決済のため、いますぐにでも入院してベッドにはりつけにならなければならない体で、全国を駆けまわりはじめたのです。

それは鬼気せまる勢いであったといいます。

そうしているうちに、不思議なことに、それまでエコーにはっきり映っていた腫瘍が少しずつ小さくなり、そして影もうすくなってきました。

一方、妻は、夫の病状を知り、またそれをおして家族のために体に鞭打っては、働きまわる状態を見て、夫の身を案ずるあまり、まったく自分の体の不調を訴えなくなったのです。

そして検査をしてみると、妻にもまた、なぜだか説明のつかない不可思議なガンの自然退縮が発見されました。

二人ともガンが小さくなり、当初の予測をくつがえして、二年たった今も、体のなかに存在はしても休火山のようにおとなしくなったガン細胞と、どうやらうまく共存しているらしいのです。

こうなると、<心>と<体>は深くかかわりあい、人の<命>をささえている、あるいはかたちづくっている、と、いえるのではないでしょうか。」

心とからだは密接に関係しているといわれます。このような事例をみると、何らかの解決策が浮かんできそうですね。後日、他の方の話も紹介したいと思います。