体温はベストな状態ですか?

前回、エネルギーを作り出す燃焼回路(TCA回路)が順調に働かなくなると、体調不良になるというお話をしました。

これはからだの冷えとも関係が深いのです。

体温は生きるために必要なエネルギーであり、免疫システムは36.5度のときが一番よい状態で働くといわれています。ですから、からだの中のエネルギー産生がうまくいってないと、免疫力が低下して、ウィルス感染やさまざまな病気の原因に…

体温はたった1度違うだけで、からだに大きな変化がおきます。
体温の違いによる状態は次のようなものです。

【36.5~37度】
代謝が活発で、エネルギーが満ちあふれた状態。
免疫力も高く、病気にもかかりにくい。

【35.5度】
酵素の働きが低下するので、内臓の働きがにぶくなる。
それが原因で排泄機能も停滞しやすくなる。

【35度】
ガン細胞が増加しやすい傾向にある状態。

【34度】
自分でからだを動かすことが困難。
おぼれて、長時間水中にいた人が救出された後、生命の回復ができるかどうかを判断する境界になる体温。

【33度】
幻覚症状があらわる。
冬山で遭難し、そのまま眠ると凍死する恐れがあり「死の入り口」ともいわれる体温。

【30度】
意識が消失する。
震えが止まって筋肉が硬直し、心拍数や血圧がじょじょに低下する。

エネルギー産生には、栄養やストレスも影響しますが、からだを適度に動かして、血行をよくすることも必要です。

これからの季節は、暖かな日が多くなりますから、ウォーキングや軽い運動から始めて、からだを動かす習慣をつけてはいかがでしょうか。

エネルギー不足にはビタミンBを

春は入学や就職など、気持ちも新たに、エネルギーを感じる季節ですね。

私たちを含め生物が生きていくために、エネルギーはかかせません。寝ているときでも、体温を調節したり、呼吸や心臓を動かすためにエネルギーは使われています。

エネルギーの素になる栄養素は、炭水化物やタンパク質、脂質の3大栄養素ですが、これらがからだの中で分解され、それぞれブドウ糖、アミノ酸、グリセリンと脂肪酸になり、エネルギーに変わっていきます。

ブドウ糖がエネルギーに変換されるためには、解糖系(かいとうけい)とTCA回路、電子伝達系を経由するといわれています。なんだか難しいですが…

その中のTCA回路はクエン酸回路とも呼ばれ、たくさんの酸素を使ってエネルギーを生む燃焼回路です。栄養素の偏りや、ストレスなどで、この回路が回らなくなると、さまざまな体調不良が出てくるようになるのです。

なので、TCA回路で十分なエネルギーを作り出すことができれば、疲れを感じにくくなったり、疲労回復の時間が短くなることも。

TCA回路で、栄養素がエネルギーになるために手助けをしているのがビタミンB群だといわれています。ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、からだの中に蓄積されず、一定量以上のものは排出されたり、調理中にも失われます。ですから、不足しないように気をつけましょう。

ビタミンB群を多く含む食材は次のようなものです。

【 ビタミンB1 】 豚ヒレ、玄米、そば、豆腐
【 ビタミンB2 】 豚レバー、うなぎ、牛乳、納豆
【 ビタミンB6 】 まぐろの赤身、さんま、かつお、鶏ささみ、バナナ
【 ビタミンB12 】 まいわし丸干し、鶏レバー、カキ、あさり
【 パントテン酸 】 鶏レバー、子持ちカレイ、鶏ささみ、納豆
【 葉酸 】 鶏レバー、枝豆、菜の花、ほうれん草、モロヘイヤ
【 ナイアシン 】 かつお、鶏ささみ、落花生、玄米
【 ビオチン 】 卵、いわし、くるみ、落花生

もちろん偏食しないように、その他のビタミンや栄養素もバランスよくとることが必要ですよ。

むくみは心臓からのシグナル

むくみは血管から、血液の液体成分がしみ出し、まわりの組織の水分が増えてふくらんだ状態のことです。
長時間立ちっぱなしの状態が続き、足がむくんだ経験はあるのではないでしょうか?

そのような生理的原因でむくむことは、心配ありませんが、心臓の力が弱くなっているためにむくみがでるケースもあるそうです。

心臓の血液を送り出す「左心室」の力が弱くなると、血液が肺にとどこおりやすくなり、肺の細い血管から水分が肺の組織にしみだすことで、胸水や肺水腫とよばれる状態から、せきやたんなどの症状と、顔や手足がむくむという症状がでます。

「右心室」の血液を送りだす力が弱くなるときにも、最初に足がむくみ、しだいに全身へとむくみが進行するとのこと。

また、指でむくみの部分を押してみて、へこむものとへこまないことよっても、症状の違いがあるそうです。

指で押すとへこみ、しばらく元に戻らないときは心臓病、腎臓病、肝臓病、ホルモンの病気、がん。指で押してもへこまないときは甲状腺機能低下症などの疑いがあるそうです。

このように「むくみ」は心臓の調子が悪いときにあらわれることもあるそうなので、異常を感じたら早めの診察が肝心ですよ。

感情のバランスはとれていますか?

「病は気から」、よく言われることわざですね。

免疫学の権威として知られる、安保徹さんのお話によると、心の動きや感情は、ホルモンとのかかわりが深く、ホルモンのバランスがくずれることで、体への悪影響があらわれるとのこと。

怒りっぽい人が、高血圧や高血糖、心臓病などになりやすいという話は聞きますが、反対にいつも感情を抑えている人も、交感神経が緊張することで、同じように興奮系のホルモンの分泌が多くなるため、似たような病気になりやすいそうです。

職場での人間関係で悩むことが多い方や、家庭内で長く我慢を続けている奥様などは、注意が必要です。

また、感情をおさえ興奮や緊張が長く続くと肩こりになりやすく、この症状が原因で60歳を過ぎてから、パーキンソン病を発症する危険もあるとのこと。

ところで、最近「泣いたことはありますか?」

泣いたり笑ったりするというのは、緊張した交換神経を、副交感神経優位の状態にするために行う行為だそうで、これで感情のバランスをとっているのだそうです。

なので、悲しみがあったときに泣くことは、はずかしいことではなく、病気の予防をしているとも考えられます。

他にも、薬に頼らない生き方や、生活習慣で気をつけることなど、健康に関するアドバイスがたくさん載っていますから、興味がある方は読んでみてください。

心もカゼをひく?

インフルエンザに関するニュースが増えてきましたね。
マスクや手洗いなど、基本的な予防はお忘れなく。

しかし、病気になるのは体だけではありません。

過剰なストレスなど、心に疲労がたまることで「うつ」になることも…

警察庁の発表によれば、自殺者は10年連続で3万人を超し、2007年度は60歳以上と30歳代は過去最多だったそうです。

原因として多いのは健康問題で、そのなかでも「うつ(気分障害)」がもっとも多く、
6000人を超えているとのこと。

この数字からも、うつは心が弱い人や特殊な人がかかる病気ではなく、現代のような社会環境では、誰でもうつになるリスクがあると考えられています。

体がカゼをひくように、うつ病は「心のカゼ」と考え「最近おかしいな…」と思ったら、早めに専門の医師に相談しましょう。

ちなみに「うつ」かどうかを判断するおおまかな目安としては

・何もする気が起こらない、という状態が二週間以上も続く。

・うれしいこと、楽しいことがあっても気分が晴れない。

・不安やあせりが消えず、仕事に集中できない。

・倦怠感や食欲不振が長く続く。

などといわれています。

うつになるきっかけは、さまざまですが気の持ち方で少しでも楽になることもあります。

こんな話をごぞんじですか?

【一休さんの遺言】

一休さんが亡くなるときに、不安がる弟子たちに封書を渡し、「この先、ほんとうに困ることが起きたら、これを開けなさい」と言い残したそうです。

数年後に寺に大変な問題が起きたとき、弟子たちが集まって、その封書を開けてみるとそこにはある言葉が書いてありました。

それを見て、弟子たちは大笑いのうちに落ち着きと勇気をとり戻し、難問を解決できたとのこと。

その言葉とは…

「大丈夫、心配するな、なんとかなる」

ちなみにこれは創作という説もありますが、時には「なんとかなる」という開き直りや、楽天的な気持ちが必要だと思いませんか。

乾燥肌の方は食事も気をつけましょう

1月5日は小寒でしたね。そろそろ冬も本番でしょうか。

さて、この季節は外も室内も乾燥しがちのため、肌には辛いときです。
うるおいがなくなるため、乾燥肌になりやすく、かゆみも出やすくなります。

予防のためには、部屋を加湿するとかクリームで肌を保湿するなど、いろいろと工夫されていると思いますが、乾燥肌の方は食べ物にもお気をつけください。

寒いときには、やっぱり鍋料理。
から~いキムチ鍋とか、薬味をたっぷりきかせた鍋など、からだが温まります。

しかし、唐辛子やニンニク、しょうがなどの辛いものを多量にとると、汗がたくさん出ることで、皮膚の炎症やかゆみの原因になることも。

また、ほうれん草、なす、里芋などにはヒスタミンや、それに似た成分が含まれているので、過剰に取ると肌のかゆみを引き起すといわれています。

アレルギー体質の方や、くしゃみ、吹き出物が出やすい方はなるべくひかえたほうがいいようです。

ちなみに、ビタミンCが豊富で美容によいといわれるイチゴやトマトも、ヒスタミンをからだの外へ出してしまう働きがあるので、食べすぎは禁物だそうですよ。