11月に入り、冷え込む日が多くなりましたね。
カゼなどひかないようにお気をつけください。
突然ですが「最近、忘れっぽくなった…」というようなことはありませんか?
厚生労働省によると、2035年には認知症高齢者数が376万人にもなると推測されているそうです。
認知症は初期症状を見過ごしてしまうと、症状が悪化して、家族や介護などの負担が増えるなど、問題が深刻化していきます。
しかし、変化があわられてすぐに専門医に受診させたケースは1割もないとのこと…おかしいなと思ったら早めに専門医に相談しましょう。
物忘れは脳の神経細胞が少しずつ減少してきて、記憶力が低下していくものですが、老化によって神経細胞が減っていっても、残った神経細胞が新しいネットワークを広げていくことで、すぐに記憶力が低下するとは限りません。
また、脳神経のネットワークは努力しだいで減少をおさえたり、改善することがわかってきたそうです。
一方、認知症の場合は神経細胞のネットワークが、脳の病気によって失われるために起こるものです。
認知症の特徴は次のようなのもです。
・体験の全体を忘れる
・今の時間や場所、または状況がわからなくなる
・もの忘れじたいを自覚していない
・人格の変化が起こる
などがあげられます。
認知症を引き起こす脳の病気の主な病気としては「アルツハイマー」と脳出血や脳梗塞などによる「脳血管障害」の2つがほとんどだといわれています。
■ アルツハイマー病
大脳の神経細胞の外側にβ-アミロイドというたんぱく質の一種が沈着してシミのようになり、やがて脳神経細胞が死んでいく原因がよくわかっていない病気です。女性に多く、75歳を超えると急激に増加することが特徴だそうです。
アルツハイマー病には次のような段階があります。
健忘期 2~3年
・同じ話を何度も繰り返す
・人やものの名前を忘れる
・ものをよく置き忘れる
・趣味や得意分野の情報をど忘れする
・感情が不安定になる
・意欲・自発性・積極性が低下する
・世の中やまわりのことに興味や関心がなくなる
混乱期 4~5年
・月日や時間の感覚がわからない
・天候や季節に合わせて服を選べない
・お金の計算ができない
・ひとりで外出すると道に迷って帰ってこられない
・ものを盗まれたなどという(妄想)、いない人の声が聞こえる(幻聴)、いない人が見える(幻覚)、目的もなく歩きまわる(徘徊)など。
そして後期の臥床期(がしょうき)が2~3年といわれます。
■ 脳血管障害による認知症
この認知症は、糖尿病、高脂血症、高血圧などの血管がつまりやすい疾患がある男性に多く、特に60歳以降の発症率が高いといわれます。
発症の過程は次のようなものです。
・脳血管の動脈硬化が進み、動脈の内側が狭くなる
↓
・血栓によって血液が途絶えたり、血管が詰まる。または血管がやぶれることにより、脳細胞に酸素やブドウ糖などの栄養分が供給できなくなり、脳の組織が死滅する
↓
・死滅した神経細胞の部分の働きがそこなわれる。この結果、認知症になる。
この認知症の特徴は、障害が起きた神経細胞の部分によって症状がことなり、頭痛、吐き気、めまい、しびれ、言語障害、知的能力の低下などさまざまな症状があらわれることです。
脳血管障害を起こしたすべての人が認知症になるのではありませんが、本人が自覚できない小さな梗塞が脳の血管にいくつも起こしているケースもありますから注意が必要です。
しかし、脳血管障害が原因となる認知症も手術で治せたり、薬で進行を抑えたりすることもできるようなので、早めに専門医に処置をしてもらいましょう。
■ 認知症予防のための脳トレーニング
前頭葉は脳のコントロールタワーの役割をして左脳と右脳の情報をもとに判断、分析、決断、創造力、感動といった人間特有の脳の働きを受け持っています。ですからこの前頭葉を活性化させることが、認知症の予防につながるといわれています。
日常生活で前頭葉を活性化するためには次のような方法もあります。
◎前日の日記を書く・または読み返す
日記を書くために、昨日あったことを思い出そうとしたり、自分の行動を忘れないように意識することで記憶力を鍛えることができます
◎人と会話をする
5~6人のグループで話し合うことによって、「注意分活力」という2つのことを同時に行うときに、その両方に気を配る能力を鍛えることができます
◎2つの料理を同時につくる
2つの料理を同時につくるためには手順を考えたり、一度に2つの作業を並行して進める必要があります。これにより「計画力」と「注意分活力」を鍛えることができます
脳を鍛えるためには手や指、口を動かすことも非常に有効です。
なぜなら体を動かすときに重要な役割をしているのが脳の運動領域という部分で、その約8割は手や指、口の動きに関係しているからだといわれています。
認知症は、糖尿病や高血圧などが原因で発症するケースもみられ、アルツハイマー病は糖尿病の方に多いという話もあります。
まずは生活習慣や食生活を見直してみることも大切なようです。また、定期的な健康診断で早期発見、早めの対応を心がけましょう。
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