ブログでも紹介している、医学博士の柿添健二先生の「健康セミナー」が先週、福岡市で開催されました。
そのセミナーでの話に「日本人は薬が一番だと思っていますが、心が一番大切なんです。西洋医学を否定はしていませんが、代替医療のほうが副作用が少ない。西洋医学ばかりではなく、いろいろな代替医療をためしてみることが必要です。」との話があり、心の重要性をあらためて感じました。
参考として、ある本の一部が紹介されていましたのでご紹介します。
五木寛之さんの「大河の一滴」の中にこのような話が掲載されています。
「最近、ある医師の方から、とても感動的な、そして不思議な話をききました。この医師は、東京で長いこと開業してらっしゃる70代のかたです。このかたの診療所には、大病院級の重い病気のかたが多くおとずれるのですが、そのなかに、ご夫婦で癌にかかっているかたがいらっしゃるそうです。最初は、奥さんが進行性の癌で、医学的な常識では余命3ヶ月という症状でやってきました。」
で、このかたのご主人がいろんな事業で失敗して無一文になったり、仕事がうまくいくと女遊びや博打をしたりで、俗にいう甲斐性なしの旦那さんだったそうです。
その結果、奥さんが働き、家計をささえていたらしいのです。
そして気がついたときには奥さんは、深刻な段階の癌だったのです。
これを知ったご主人は、いままでの生き方を後悔し、自分のことより妻の病状を心配していたそうです。
ある日、ご主人が体の不調を感じてその診療所をたずねたところ、なんと妻よりも重い癌にかかっていたんだそうです。
「事実を告げられた夫は、まず自分の病状よりも、これからのこされるであろう妻子のことを心底悩み、それまでの罪滅ぼしの意味もあって、思いつきで手をひろげたり未回収になっている手形の決済のため、いますぐにでも入院してベッドにはりつけにならなければならない体で、全国を駆けまわりはじめたのです。それは鬼気せまる勢いであったといいます。
そうしているうちに、不思議なことに、それまでエコーにはっきり映っていた腫瘍が少しずつ小さくなり、そして影もうすくなってきました。
一方、妻は、夫の病状を知り、またそれをおして家族のために体に鞭打っては、はたらきまわる状態を見て、夫の身を案ずるあまり、まったく自分の体の不調を訴えなくなったのです。
そして検査をしてみると、妻にもまた、なぜだか説明のつかない不可思議な癌の自然退縮が発見されました。二人とも癌が小さくなり、当初の予測をくつがえして、二年たったいまも、体のなかに存在はしても休火山のようにおとなしくなった癌細胞と、どうやらうまく共存しているらいいのです。(中略)
ぼくは、この話をきいたとき、どこかで読んだ文章の一節を思い出していました。
たしか、<病気を忘れるとき病気が治る>ということだったと思います。
こうなると、<心>と<体>は深くかかわりあい、人の<命>をささえている、あるいはかたちづくっている、と、いえるのではないでしょうか。」
このような実例はたくさんあるのでしょうね・・・まだまだ人間には、化学や西洋医学では解明できない生命力が秘められているのでしょうか。
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